Specialスペシャル

戦姫絶唱シンフォギアAXZ スペシャルリレー対談06

『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のキャスト&スタッフ陣によるリレー対談を本ウェブサイト限定で公開!

第6回は、サンジェルマン役の寿 美菜子さんとカリオストロ役の蒼井 翔太さん、そしてプレラーティ役の日高 里菜さんが登場。シリーズ初参加となる三人は本作にどんな向き合い方をしたのでしょうか!? 作品の魅力や収録時の思い出を振り返っていただきました。

魂が朽ち果てるまで、命を燃やす!

――皆さんは『AXZ』からのご出演ですが、『シンフォギア』シリーズにはどんなイメージがありましたか?

寿 (高垣)彩陽やあおちゃん(悠木碧)から、アフレコ現場で歌う作品だとは聞いていて、とても新しい試みをしている作品だという印象がありました。でも、どうやって収録しているのか、全然想像がつかなかったですね。きっとすごい作品なんだろうなという漠然とした印象でした。

日高 私も井口(裕香)さんから『シンフォギア』のことは伺っていたんです。戦いながら歌う姿が本当にカッコいいんだよって。女性から見てカッコいいと思える女の子が出てくる作品というところに興味がありました。

蒼井 アイドルや歌をテーマにしたアニメ作品がたくさんある中、戦いながら歌うというのはとても斬新だなと思っていました。上松(範康)さんからどんな収録なのかを直接伺ったことがあるんですけど、実際どんな感じなのかは行ってみるまで想像がつかなかったですね。

――オーディションはどのような感じだったのでしょうか?

寿 歌のオーディションは、二人で歌う戦闘曲を一人で歌うというものでした。

日高 私の場合は普通に歌ったあと「今度は戦闘っぽく」というディレクションをいただいて、「これが『シンフォギア』なんだ!」って思いました。

寿 歌う環境も音楽のレコーディングとは全然違っていたので、最初は少し戸惑いましたね。

蒼井 確かにマイクもアフレコ用でしたし、歌声もライブのように響かないですからね。あと、制作スタッフの方の前で歌うのも不思議な感覚でした。

日高 そうなんです! いつもお世話になっているスタッフさんの前で歌うのが少しだけ気恥ずかしいんですよね(笑)。

寿 普段は台詞を聞いていただく方たちばかりなので、皆さん歌を聴かれてどう思うだろうって(笑)。ちょっと探ってしまいしたね。

――サンジェルマンはどんな役作りで臨まれたのでしょうか?

寿 オーディションのときはカッコいい人という大まかなイメージだったんですけど、重い過去を背負ったどこか寂しそうな人だとわかってきてからは、過去の重みがあるからこそ強く生きざるを得なかったという、陰の部分を出していけたらいいなと思いました。

蒼井 確かに、演じられている声に哀愁があるというか、色で言うと寒色系の色が声に乗っていたような印象を受けました。

寿 嬉しい! ただ、最初の頃はもう少し落ち着いてほしいというディレクションをいただくこともありました。どっしりと構えて、ラスボスのような悪っぽさを出してほしいと。極力温度を持たないように、言葉にも熱が入りすぎないようにしていました。

日高 後半になるにつれて、人間っぽさも見えてくるようになりましたよね?

寿 確かにアダムと対峙したり、カリオストロとプレラーティから優しくされて、少しずつサンジェルマンの人となりが見えてきたかな。あとは、やっぱり響の影響も大きいです。彼女につられてどんどん熱くなるところがあって。ただ、やっぱり響ってとてつもなく熱いんですよ。響の熱さに気圧されている部分があるから録り直しましょうとなったこともありました。いい意味でスタッフさんも妥協のない方ばかりなので、別のアフレコ日にそれをもう一度録り直したんです。役者としてはとてもやりがいのある現場でしたね。

――「ラスボスのような」というお話があったそうですが、実際のラスボスや結末などについて教えてもらっていたんですか?

寿 台本をいただくタイミングで先の展開を知るので、実際にラスボスなのかどうかはわからなかったです。

日高 ちょくちょくスタッフの方に「この先、どうなるんですか?」って聞いても、「楽しみにしててください」としか返してくれないんです!(笑)

蒼井 特に錬金術師チームは新しい用語を話すこともあったので、結構聞いてはみたんですけど、なかなか口を割ってくれない(笑)。

日高 私たちもドキドキしながら先の展開を待っていました。

――サンジェルマンは難解なセリフも多かったイメージです。

寿 難しい熟語を使った言い回しだったり、漢字が多かったりしたので、毎回台本をチェックするときは、最初にサンジェルマンが喋る単語を辞書で引いてからストーリーを追うようにしていました。ひと工程増えるぐらい難しい言葉が多かったんですけど、たまに二人に分担されるときもあったので、そのときは「よっしゃ!」って(笑)。

日高 たまに来るんですよね。「今回、私かー」って(笑)。

蒼井 ヨナルデパズトーリ係とかね。

寿 そうそう。それこそアダム・ヴァイスハウプトという名前でさえも最初は難しいなと思いました。

――では、カリオストロについてですが、オーディションはどのようなイメージで受けられたのでしょうか?

蒼井 オーディションのときは、いただいた原稿をいくつかのパターンで演じ分けました。たとえば、女性っぽい喋り方だったり、男性っぽい喋り方……というより、おネエさんっぽい喋り方だったり(笑)。ただ、そのときの芝居は本編の芝居とは全然違いましたね。

寿 違ったんだ!

蒼井 最初にお願いされていたのは、「アイドルっぽく、でも男の子に聞こえるような感じで、それほど低くなく」という感じだったんですよ。

寿 中性的なイメージ?

蒼井 そうですね。でも、一回目のアフレコのときに、女性っぽくやってみてくださいというリクエストをいただいて、それでいきましょうと。

寿 そうだったんだ。最初から今のカリオストロだと思うぐらい説得力があったから。

日高 本当にかわいかったですよ。あと、すごく女性的なお芝居にこだわっていましたよね?

寿 いつも喋る前に「んっ、んっ」ってチューニングしたり、「今のかわいくなかった~」って悔しそうにしたり(笑)。

蒼井 元・男性とはいえ、ちゃんと女の子に聞こえないといけないから(笑)。なので、寿さんや日高さんに「この台詞を女の子っぽく言うにはどうしたらいいの?」って時々聞いていました。

――カリオストロの人物像についてはどのように捉えられましたか?

蒼井 我慢しない人、ですね。カリオストロはもともと詐欺師で、自分にも嘘をついてきた人です。だからこそ、今は自分の気持ちに嘘をつきたくないと考えていて、それが行動に繋がっているんですよね。ただ、サンジェルマンのために頑張りたいという思いはありますし、優先順位をちゃんと考えているところもあるので、根本的なところでは我慢の人でもあるのかなと思います。あとはもう、とにかくかわいらしい人です。「三人の中で一番かわいくしてほしい」というディレクションをいただくこともありました。

――では、プレラーティについてはいかがですか?

日高 あまり感情を表に出さないローテンションなキャラクターなんですけど、戦闘で見せるちょっと悪い顔、狂気じみた顔が印象的でした。実際、自分が楽しいと思うことや快楽を最優先にするタイプで、それが戦闘時の顔に表れているのかなと思います。ただ、最初はここまで三人の絆が深いとは思っていなかったんです。それぞれ個性が強いですし、目指すものはバラバラなのかなって。でも、中盤から後半に掛けての三人のセリフを聞いていると、プレラーティが一番大切にしていたのは快楽ではなくて、三人の絆だったんだなと思いました。

蒼井 ツンデレでもあるワケダ。

寿 そういうワケダ(笑)。

蒼井 僕は第2話の(モノマネをしながら)「ならば早速!」が好きでした。

日高 ひどい!(笑) でも、現場で「素敵でした」って言ってくださったのは嬉しかったです。

蒼井 めっちゃゾクゾクしましたから。いつもはローテンションなのに、戦闘になるとここまで狂気的になるんだって。

――プレラーティは語尾の「ワケダ」が特徴的でした。

日高 「ワケダ」はオーディションの原稿にもあって、いろんなパターンをちりばめてくださいというディレクションをいただいたんです。「ワ~ケダ」みたいに伸ばすところを変えたりしながら(笑)、最後のほうはネタ切れになるぐらいたくさんのバージョンを録って、今の形に落ち着きました。

――改めて三人の関係性についてはどんな感想をお持ちになりましたか?

蒼井 今振り返ると、この三人には強い絆があったんだなと思います。絆があるがゆえに甘えた部分もあり、安心感や信頼感もあって。カリオストロが単独行動に出られたのも、二人を信頼して甘えているからなのかなと思いました。

寿 三人が同じ方向を見据えていることがはっきり描かれていたわけではないですが、第12話で一緒に歌うシーンを見ると、みんなが回帰する場所はここであり、この場所こそが三人の軸だったんだろうなと感じました。

蒼井 サンジェルマンの涙と笑顔はグッときました。

寿 最後にカリオストロとプレラーティが喜んでくれたのも嬉しかったですね。

日高 サンジェルマンは自分の正義のために戦っていましたけど、サンジェルマンがいるから今の自分たちがいると考えていた二人は、ずっとサンジェルマンのために戦っていたんですよね。それが後半でわかったので、改めて前半を見ると全然違った印象を受けます。

蒼井 アダムへの不信感や反発も、サンジェルマンの邪魔になるかどうかが大きかったんだと思います。

寿 そういってもらえると嬉しいです。本当に人としてみんなが繋がっていたんだなと思います。

――皆さんは第12話で『死灯 -エイヴィヒカイト-』を歌いましたが、その前にアフレコ現場での歌収録はご覧になっていたんですか?

日高 第1話の歌収録(響、翼、クリス)をブースの外から見学させてもらいました。

蒼井 完全に異空間でしたね……。

寿 最初はバラバラに録りますと伺っていたんですけど、実際に始まったら皆さんが「せーの」で一緒に歌い出して、私たちは困惑という感じで(笑)。

日高 今回のシリーズから全員一緒にハモれるようになったみたいですね。しかも、皆さん画に合わせて、動きに合わせて完璧に歌われていたので、どこまで画を拾えるかという歌以外の技術でも圧倒されました。

寿 でも、私たちのスタジオレコーディングが第1話の収録のあとだったのは、すごくいいタイミングでしたね。皆さんから熱量をもらって、我々もいい歌を届けたいという気持ちになれたので。

――アフレコ現場で歌ってみての感想はいかがでしたか?

寿 ついに来たという感じで最初はドキドキしていましたけど、歌うにつれてだんだん気持ちが乗ってきました。三人の歌い方が統一されていたのが心強かったですね。響と翼さんとクリスちゃんの三人の歌を見たときは、個々の戦闘スタイルに合わせてそれぞれの歌い方をしていたので、サンジェルマンもサンジェルマンなりの歌い方をしようと思ったら、三人でその歌い方にしましょうという形になったんです。

日高 それは私たちならではの歌い方でしたよね。あと、ほかの装者の皆さんはアクションが大きいんですけど、私たちはそこまで殴ったり蹴ったりしないので、みんなでどこに気持ちを入れるか相談しました。それもすごく楽しかったです。

蒼井 僕たちがサンジェルマンに合わせる歌い方だったので、より気持ちを乗せられました。かなりテンションが上がってしまって、何テイクも録ったはずなのに「お疲れ様でした!」と言われたときは、「もう終わり?」って思ったぐらいです。

日高 もっと歌いたかったですね。

蒼井 収録のあと寿さんのマネージャーさんが、キャラクターを抜きにしてユニットみたいとおっしゃっていたのも嬉しかったですね。

寿 それぐらい一体感があったって言っていました。そのとき、偶然着ていたトップスがみんな白だったのも大きかったのかも(笑)。

日高 終わったあと、南條(愛乃)さんからもユニットっぽいって言われました!

蒼井 あんなにぴったりだったことが驚きだったって言っていましたよね。それもこれも、寿さんが真ん中に立って、まさに指揮者みたいな感じで引っ張ってくれたおかげです。

日高 歌うのも大変なのに、私たちを引っ張ってくれて。本当にありがたかったです。

寿 こちらこそ、ありがとうという気持ちでいっぱいだよ~! また機会があったらこの三人で歌ってみたいですね。

――では最後に、改めて『AXZ』に参加されての感想を聞かせていただけますか?

日高 この作品に参加できたことが何よりも光栄です。スタッフの皆さん、キャストの皆さんがみんな本気で、妥協しない方ばかりなんです。とにかく本気のぶつかり合いが現場にあって、見ていてすがすがしいぐらいでした。その100%全力の姿勢がこの作品の魅力だと思いますし、私もそこに全力でぶつかることができてとても楽しかったです。

蒼井 大切な何かを守ろうとする気持ちが歌に込められていて、キャラクターの想いがより強く心に響いてきました。この三人の歌も皆さんの心に響いていたらいいなと思います。あと個人的なことですが、装者に男性のいなかった『シンフォギア』シリーズに男性として関わることができたのは、自分でも信じられませんでした。少しでも皆さんの記憶に残ったら嬉しいです。

寿 もともとElements Gardenさんの曲が好きで、オーディションのお話をいただいたときから歌いたいとずっと思っていました。それが叶えられたことが、個人的に嬉しかったことです。サンジェルマンとしては、最後の最後まで自分の正義を貫き通せたことが、本当によかったなと思います。自分の正義を守るという生き方がこんなにもカッコいいんだと思わされましたし、皆さんの中にもサンジェルマンたちの生き方が魅力的に映っていたら嬉しいなと思います。

【SPECIAL CORNER】

●シンフォギアを一言で表してください!

寿:だとしても

蒼井:どっきんハート

日高:挑戦

●みんなの力を一つに束ねて「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」であいうえお作文を作ろう!

(3人の中より)蒼井 :しワケし続ける

リレー対談も残すところあと1回となりました!お楽しみに!!