Specialスペシャル

戦姫絶唱シンフォギアAXZ スペシャルリレー対談 05

『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のキャスト&スタッフ陣によるリレー対談を本ウェブサイト限定で公開!

第5回は、月読 調役の南條 愛乃さんと暁 切歌役の茅野 愛衣さんが登場。唯一無二のパートナーとして活躍する二人が、『AXZ』ではそれぞれ個としての成長を見せています。そんな調と切歌にお二人は何を思うのか!?

重ね合った手は、絶対に離れない――!

――お二人は『G』からの参加ですが、当時お互いのキャラクターについてどんな印象をお持ちだったか覚えていますか?

南條 切ちゃんは明るくて元気で、一応悪役で登場していましたけど、どこか憎めないかわいらしさのある子だなという印象がありました。ただ、最初はわりとイメージが逆のような気がしていたんです。私が切ちゃんで、かやのん(茅野さん)が調でもしっくりきそうで、お互いに「意外なところが来たね」なんて話していたことを覚えています。

茅野 そうそう。わりと私は物静かな役をいただくことが多かったですし、なんじょる(南條さん)も元気な役が多いイメージだったからね。

南條 元気だったり、脳天気だったりする子を演じることが多かったから(笑)、新鮮な役が来たなって。

茅野 調は無口でどこか無機質な印象があったので、「このキャラで歌うのは難しそう」って思いました(笑)。戦闘シーンで歌うとなると、静かながらも芯の強さが必要になりますし、そのニュアンスをどう出すんだろうって気になっていたんです。でも、なんじょるがうまく調整して表現しているのを見て、さすがだなと思いました。

――役作りについてはいかがでしたか?

南條 『G』の最初の頃は何パターンも録った記憶があります。たとえば調が怒っているシーンでしたら、抑えたパターンと感情を出したパターンの両方を録って確認していただくという感じでした。スタッフさんも探り探りだったのかもしれないですね。

茅野 私はかなり自由にやらせていただきました。印象的だったのは、語尾に「デス」をつけることについて、原作の金子(彰史)さんが少し安易すぎないかと不安だったとおっしゃっていたことですね。むしろスタッフさんたちのほうが細かいニュアンスに気を遣われていたのかもしれないです。私はどちらかというと調と切歌の割ゼリフに気を遣いました。

南條 調と切ちゃんは一つのセリフを二人で交互に言うことが多いんです。

茅野 しかもだいたい切歌があとになるから、どういうふうに調からのバトンを受け取るのがいいか、これは今でもよく考えますね。

南條 でも『G』の頃は、調も今ほど感情を表に出す子じゃなかったので、かやのんが上手に拾ってくれるという感じだったんです。それはすごく助かりました。

――『AXZ』まで演じてきて、どのようなところに二人の成長や立ち位置の変化を感じますか?

茅野 切歌は「元」常識人なので、成長と言えるのかな(笑)。

南條 きっとみんなと仲良くなって、安心感がもたらす余裕みたいなものが出てきたのかもしれない。

茅野 調は表情が豊かになったよね。

南條 それもあるし、人の名前を呼ぶようになったのは大きな変化だなと思った。最初は「切ちゃん」、「マリア」くらいだったのが、先輩たちを「響さん」、「翼さん」、「クリスさん」って呼ぶようになったんです。最初はすごく不思議な感覚でした。この違和感はなんだろうと思っていたら、自然に名前を呼んでいたからだと思って。まわりに対して心が開けて、どんどん自然体でいられるようになったのかなと思います。

茅野 私が変わったと思うのは切歌単体というよりは、切歌と調の関係性ですね。『AXZ』では愛ゆえのすれ違いがない(笑)。

南條 「G」でのぶつかり合いを、盛大な痴話喧嘩だと思っているんですけど(笑)、それは確かになくなったなと思います。

茅野 「大好きだって言ってるでしょ!」みたいなことがないよね。切歌と調だけじゃなくて、装者全員があまりギクシャクしなくなったのは大きな変化だなと思います。

――調と切歌は『シンフォギア』シリーズでは初となる合体曲を歌い、今や合体曲は二人の定番となりました。

南條 『G』で最初にそのギミックを伺ったときは驚きました。それぞれの曲が一曲として成立しているのに重ねると違う曲になる、「そんなことが可能なの!?」って。

茅野 私も全然想像がつきませんでした。自宅でなんじょるの歌を最初に聴いたときに、同じフレーズが出てくるところから自分も歌ってみたんです。そしたら本当に曲がぴったり重なるので衝撃を受けました。

南條 さらに衝撃だったのは、適合者の皆さんが結構気付かれていたことですね。まだソロとして披露しているだけなのに、合体するんじゃないかって予想されていて。適合者の皆さん、さすがです!

――アフレコ現場で合わせるときはどんな感じだったんですか?

南條 レコーディングは一人ずつだったんですけど、戦いながら歌うときは一緒に歌うと伺っていて……最初っから一緒に録ったっけ?

茅野 『G』のときは、一緒に歌ってみたり、別々に歌ってみたりいろいろ試しながらだったと思う。合体曲ってシリーズとして初めてだったし、たぶんスタッフの皆さんも手探りだったのかな? でも、今は合体曲もF.I.S.の三人曲も全部一緒に録っています。

南條 『AXZ』の三人曲はものすごくハマったよね。三人とも違うメロディを歌うハモり曲でもあるので、さすがに別々かなと話していたんですけど、先に歌った先輩たちが一緒だったから……。

茅野 一緒に歌ってる、もしや私たちも……って、ざわざわと(笑)。

南條 緊張感が高まりましたけど、すごく気持ちよく歌えました。やっぱり合体曲も三人曲もみんなで歌ったほうが楽しいですし、何より熱量が上がりますね。

茅野 敵と戦うときの曲ですけど、一緒に歌っている人とのいい意味での戦いでもあって、それが相乗効果に繋がっているんだと思います。

――お二人でデュエットされるときは、打ち合わせはあるんですか?

南條 切ちゃんと歌うときはほとんどないですね。フィニッシュで叫ぶようなところがあったら、その長さをどうしようかって相談するぐらいです。

茅野 だいたいは一回やってみて、監督さんに伺いながら微調整をしていくという感じです。

南條 切ちゃんと調じゃないですけど、シリーズを重ねるごとにどんどん息ぴったりになってきた感覚があります。歌ではないですが、『AXZ』では合わせのセリフで長いものがあって。それもぴったり合ったんです。

茅野 攻撃するときの叫びだよね。(第6話の対サンジェルマン)

南條 そうそう。テストよりも長くなったんですけど、お互いに「まだいくか!?」みたいな感じで探り合いながら、でも最後は綺麗に収まるという。

茅野 「切歌と調っぽいよね、いえーい!」みたいな感じになって(笑)、自分たちをちょっと褒めました。

南條 歌でもセリフでも、お互いの呼吸がわかってきたんだろうなと思います。

――今回、アフレコも見学させていただきまして、お二人は隣同士でしたが、いつも並んで座っているんですか?

茅野 いつも近いです。

南條 今日は人が多かったんですけど、スペースが空いていてもなぜかここだけはキュッってしています(笑)。

――そして『AXZ』もいよいよクライマックスですが、まずは前半を振り返ってみていかがですか?

南條 F.I.S.の三人からは戦いたくても戦えないもどかしさがひしひしと伝わってきました。その中でできることを探したり、一方で耐えきれずに戦ったり。特に調と切ちゃんの焦りは強く感じましたね。

茅野 むしろマリアが冷静に止めてくれたもんね。

南條 この二人は小っちゃいのに血の気が多いから。

茅野 トマトおばあちゃんのとき(第4話)の「挑発に乗らない!」は、マムの面影を感じました。

南條 叱られる子どもみたいだったよね。三人とも焦る中で、マリアがしっかりリーダーシップを発揮してくれて、お姉ちゃんらしく私たちをたしなめてくれていたなと思います。

茅野 この話数の三人曲も面白かった。ワンフレーズだけだったから、ひよちゃん(日笠さん)が終わったあとに「物足りなーい!」って言い始めて……。

南條 もっと歌いたそうにしていたんですけど、私たち二人は荷物をまとめて「はい、マリアもう帰るよ」って(笑)。

茅野 あと本編とは全然関係ないですが、少し前にF.I.S.組でご飯に行ったんです。

南條 ついに三人で。

茅野 『G』のときからずっと行きたかったんですけど、なかなか予定が合わなくて。

南條 三、四年越しだね。

茅野 おいしいお肉を食べてきました(笑)。

――第7話では合体曲で大活躍を見せてくれました。

南條 活躍も嬉しかったですし、やっぱりこの二人の姉妹のような繋がりがいいなって思いました。

茅野 ニコイチ感というか……。

南條 お互いを自分の半身のように思っているんだろうなって感じたよね。

茅野 だから、割ゼリフが多いのに全然違和感がないんです。たとえば、第7話の「重ね合ったこの手は」、「絶対に離さないデス」も二人で順番に言っていますが、二人にとっては一つのセリフ、一つの想いなんです。調が言った台詞は切歌も心の中で言っていると思っていて、そのつもりで調のセリフを受けるようにしています。

――そして、『AXZ』ではお互いパートナーを代えてのユニゾン曲がありました。まずは調と翼が一緒に歌った第9話はいかがでしたか?

南條 第9話全体でいうと、嬉しいことが二つありました。一つは、切ちゃんとの過去が描かれたことですね。自分の名前もわからずにいた施設時代から切ちゃんが隣にいてくれて、そこからずっと付き合いがあった。しかも、切ちゃんが誕生日の話をしていて、それが次の話数の伏線になっているところもすごくて、この話数は調と切歌の過去に繋がる大事な話数なんだなと思いました。そして、もう一つはやっぱり翼さんとのユニゾン曲ですね。楽しみという気持ちも大きければ、翼さんの力強い歌声に調の控えめな歌声がかき消されないかという心配もありました。でも、一緒に歌った感触は翼さんの歌声が調の歌声を支えてくれているようで、とても気持ちよかったです。水樹(奈々)さんは私にとっても大先輩ですし、リードしていただいた感じが、調の手を引っ張ってくれた翼さんと重なって見えました。

――切歌の時とはまた違った感覚だったんですか?

南條 ユニゾンで悩んだ調を翼さんが引き上げてくれるというストーリーがあるので、歌でも翼さんが大人に感じられましたし、大人の戦いに混ざっているという感覚がありましたね。調もきっとそこについていきたいと思ったんだろうなって。もちろん、足を引っ張ってはいけないというネガティブなものではなくて、一緒に戦うためについていくという感じだったと思います。その調は、とても新鮮でしたね。

――切歌は第10話が大きな見せ場でした。

茅野 切歌が「お気楽」であることにも意味があったというのが素敵でした。誕生日をなぜ大切にするかという理由も、ちょっと切ないけれどすごく前向きで。最初はまさかこのタイミングでお誕生日会をやるのかと思って、私自身も切歌にお気楽さを感じたんです。でも、理由を知るとすべてが悲しく聞こえてきて。切歌の想い、切歌の健気さがたくさん詰まった話数だったなと思います。

――響とのユニゾン曲はいかがでしたか?

茅野 熱量がすごかったです! あおちゃん(悠木さん)とはぁはぁ言いながら歌いました(笑)。

南條 二人とも「陽」だからね。

茅野 そうなの“よう”。

一同 (笑)

茅野 ああ、無意識に(笑)。でも、調とマリアとしかほとんど戦ってこなかったので、歌う相手によってこんなに歌い方が変わるんだって衝撃を受けたんです。特に響は拳で戦う子だから、そのパワーに合わせないといけないなと思って。先に響の叫ぶポイントを確認して、それに合わせるというやり方も試してみました。大変ではありましたけど、二人の信念のようなものが感じられて私のハートも熱くなりましたね。

南條 モニター越しに見てたけど、すごく新鮮だった。いつもの切ちゃんじゃないって。

茅野 私の知らない曲を歌ってるって?(笑)

南條 そうそう。違う曲を歌ってる! でも、頑張ってほしい!って思った。

――さらに切歌は絶唱もありました。

茅野 絶唱って基本的にレコーディングしたものを使っているので、まさかアフレコ現場で絶唱するとは思いませんでした。どうなるんだろうと思っていたんですけど、幸い一回でOKをいただくことができてよかったです。

南條 調としてはもどかしかったと思います。自分が何もできず見ているしかないという状況での絶唱ですからね……。

茅野 でも、調が必死で声を掛けてくれたのを聞いて、すごく嬉しくなったの! 調の想いににやにやしちゃいました(笑)。

――では、残り3話となりましたが、ぜひ今後の見どころを教えてください。

南條 『AXZ』ではパートナーをシャッフルしてのユニゾン曲という新しい試みがあり、私自身とても驚かされました。ですが、これだけじゃないんです! 近々、すごいモノが出てきます。

茅野 びっくり展開だったね。

南條 それを含めて作品にぶつける熱量がすさまじいので、最後までしっかり受け止めていただけたら嬉しいです。

茅野 一つ切歌としてお気楽というテーマがありましたけど、熱量がだんだん上がっていって、本当にお気楽ではいられない展開になっていきます。心して掛からないと、私たちも喰われてしまうぐらいの作品なので、キャラクターの可能性と自分の可能性を広げていくつもりで作品に想いをぶつけていけたらなと思います。

【SPECIAL CORNER】

●シンフォギアを一言で表してください!

南條:愛

茅野:愛

●みんなの力を一つに束ねて「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」であいうえお作文を作ろう!

南條 :あの日のように

茅野 :屈託のない笑顔で