Keywords用語解説

ビーフストロガノフ

#07

快傑☆うたずきんよろしく、唄いながら戦う者はたしかに存在し、
また、唄いながらの調理実習が悲劇を生むことも少なからず知られている。

今回は、舐めプではない。
しっかりと予習し、事前の準備を怠らず、
ひとつひとつの過程・工程を丁寧にこなしてきた。

一見、適当に見えていた母の調理が、
すさまじく経験則に裏打ちされた挙動であると気づかされると、
その確信は、開眼に通じ、かつてない完成度となって大噴火する。

その名は、ビーフストロガノフ。

「ビーフは牛肉のビーフにあらず」とは、いったい誰の言葉であったか?

超高校生級のビーフストロガノフを前にして、
そのような疑問はまったくの無意味であり、
至福に満ちた鍋は、ただひたすらにコトコトと、
ロシア料理の広大な懐を体現するのであった。

「どうしようッ!? ふたりで食べるには作りすぎちゃったかも……」
「だいじょーぶだよ! まかせてくれたまえ」

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